発注点方式でいけるかどうかの判定基準

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/04/03

 

|発注点方式

適正在庫を実現する一番簡易な方法、それは「発注点方式」という在庫管理方式です。
事前に発注点を決めておき、毎日在庫をチェックし、
発注点を割ったら発注するというカンタンな方式です。

ただし、発注点を正しく設定する必要があります。


発注点=リードタイム中平均需要量+安全在庫

で計算されますが、ここでも安全在庫を最小限の値に設定しないと
安心在庫になってしまい、過剰在庫を招くことになります。

また、多くの企業で見かけるのはリードタイム中平均需要だけで設定するという間違いです。
これでは、欠品が頻発することになります。

それでは、発注点の考え方を説明しましょう。

在庫が発注点に到達したら発注が行われますが、すぐには品物ははいってきません。
入荷されるまでの間にも在庫は減っていきますので、
その間の需要をまかなえる量の在庫がはじめになければなりません。

つまり発注した瞬間に持っているべき在庫量が発注点の値となるのです。


|発注点方式でいけるかどうかの判定基準

海外調達品でリードタイムが長く、3ヶ月あるいは半年に及ぶこともあるような品目は、
発注点管理をすべきではありません。なぜなら、発注点というのはそもそも、
発注してから入荷するまでの期間中の出荷量、
つまり、リードタイム中需用量を基に算出されるからです。

 

当然、リードタイムが長い品目は、リードタイム中需用量が多く、
発注点も大きくなりすぎることとなり、過剰在庫を招く結果となります。

 

このような品目、すなわち超納期品にふさわしい発注方式は、需要予測に基づくものとなります。

 

適正在庫算出ソフトAPIM7_テクニカルソリューションズ株式会社

 

 

 

在庫管理の現場はダブルバインド状態にある

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/04/02

 

 

|在庫管理の現場はダブルバインド状態にある

 

在庫は多過ぎれば経営陣から叱られる。少な過ぎれば営業部門からどやされる。

増やしても減らしても、どこかから責められる。
これが在庫管理現場の実情で、

このような状態をダブルバインド(二重拘束)といいます。

|多すぎず少なすぎないちょうどいい在庫量!

 

多すぎず、少なすぎず丁度良い在庫量。これが、適正在庫ということになります。

 

そして、この適正在庫を持つことによって、
どこからも文句のつかない在庫管理が実現することになります。
この値さえ分かれば、在庫管理の仕事はとても楽になり
担当者は、より人間的クリエイディブな仕事に専念できるようになります。

 

毎日毎日、朝から晩まで、いつ発注しようか?いくつ発注しようか?
と悩み続ける必要がなくなり、そういうことは、コンピュータに任せて
自分は、社内営業部門の方や、社外取引先の方々とのコミュニケーションを活発に行って

 

早耳情報を集めたり信頼関係を築いたりといった
より人間的なお仕事をすることができるようになります。

 

適正在庫算出ソフトAPIM7_テクニカルソリューションズ株式会社

リードタイムを短縮しても在庫削減には直接結びつかない

適正在庫の広場 TSCブログ
2017/12/14

 

サプライチェーンマネジメントの世界では

リードタイム短縮によって在庫削減を進めようとする活動が推奨されていますが、これは全くの無駄な努力に終わります。

最新の在庫理論研究によれば、安全在庫の計算にはリードタイムの値が直接関係しないことが証明されています。

古典理論の安全在庫計算式に、リードタイム項が入っていたことを拠り所として、世界中の専門家の多くがリードタイムを短縮することで安全在庫が圧縮されると主張し、改善指導を生業とするコンサルタントも多数存在していました。

しかし、古典計算式は、科学の基本であるディメンジョンチェック(左辺と右辺の単位が揃っているかどうかの確認)すれば、誰にでも科学的に誤りであることが分かることが知られるようになりましたので、ご自身で確認されることをお勧めします。

科学や技術やマネジメントの世界では、間違った仮説に基づいて、誤った指導がされることが、よくありますので、常に最新の技術動向をチェックすることが大事です。

このブログ「適正在庫の技術解説」では、在庫理論の最新動向を随時ご紹介していきます。(勝呂隆男)

 

【適正在庫、削減。適正在庫・発注点を科学的に算出するソフト】
APIM(エイピム)については>> http://www.tscinc.co.jp

 

 

第9回 今さらですが、、、適正在庫とは何か?

 

|適正在庫とは「何か」

今さらですが、この連載のタイトルである「適正在庫」とは何かについて、きちんと説明をしようと思います。生産管理の世界で適正在庫という考え方を広めてきた者として、この言葉の定義をきちんと定めて世の中に知らしめる責任があると思ったからです。

生産管理用語としての適正在庫は、新聞・雑誌の経済欄などで目にする適正在庫とは少し意味が異なります。経済用語としての適正在庫には、一般的な言葉として、経営者やエコノミストが適正と考える在庫水準といった意味があるようです。しかし、この言葉を生産管理の専門用語として使うときには、次に示す定義があるということを押さえておかなくてはなりません。

 

|適正在庫の定義

欠品を防止しながら在庫を減らせる限界値。
平均在庫として示される。

|注意すべき2つの点

欠品防止と在庫削減はよくおわかりだと思いますが、平均在庫というところが理解しにくいのではないかと思います。在庫という言葉が出てきたら、注意しなくてはならない点が2つあります。

1つは、いつの時点の在庫かということ。在庫数・在庫量はつねに変動しています。モノが出荷されれば減るし、入荷されれば増えます。ですから、在庫が多いか少ないかについて議論するときには、いつの時点の在庫を見て判断するのかを決めておかなくてはなりません。

財務的には会計年度の期末在庫金額が問題になるので、マネジメントサイドからは期末在庫の最少化を求められることが多いようです。しかしだからといって、押し込み販売をしたり、出荷時期を調整して洋上在庫化したりすることで在庫を少なく見せかけるようなことはおすすめできません。

生産・在庫管理の健全さを測るためには、平均的な在庫水準である平均在庫で見る必要があります。これは、毎日の在庫数をカウントしてその平均値を計算して求めます。生産管理・在庫管理の実力を測定するには、この値が最も適しているといえます。

 

もう1つの注意点は、どんな種類の値かということです。いくつあったか、あるのかを数えた測定値は別として、発注点や安全在庫のような基準値と、理論在庫や未来在庫のような予測値の2つの種類の在庫を分けて考える必要があります。

基準値というのは、発注のトリガーとなる発注点や発注量計算式の中の項として現れる安全在庫のように、発注行為のよりどころとして使われるパラメータの数値です。予測値は言葉通りの意味で、理論在庫は所定の在庫管理を実施した時の平均在庫の予測値であり、未来在庫は出荷予測と入荷計画の差し引き計算で求められる将来時点での在庫数の予測値です。

 

ここまでの説明で、もうおわかりかと思いますが、適正在庫というのは、時点でいうと平均在庫であり、種類でいうと予測値ということになります。欠品を防止して、なおかつ在庫量が最少になるような適正な在庫管理を実施したときに実現することが予想される平均在庫ということです。最適な在庫管理を実施したときの理論在庫であるといってもいいでしょう。そしてこの値を求めるための、適正在庫の計算式は次のように簡単なものです。

 

|適正在庫=安全在庫+サイクル在庫

安全在庫は、発注点方式の安全在庫、定期発注方式の安全在庫、定期補充方式の安全在庫をそれぞれ用のAPIM関数を使うことで求めることができます。

サイクル在庫は、発注点方式の場合は固定発注量の2分の1、定期発注方式と定期補充方式の場合は、期間平均需要量の2分の1で求めることができます。

このようにして求められる適正在庫の値をどう使うか。筆者の経験では、現状在庫数の評価のために使う場合が一番多く、次いで在庫削減活動の目標値として使う場合が多いようです。自分の会社の在庫がどの程度多いのか少ないのか判断がつかないというところは意外に多く、こういうところには大いに役立っています。本当に適正な在庫であるかどうかは、他社がどうしているかから求める業界平均値などではわからないからです。

また、基準値ないしは参考値として使う場合もあります。これは生産計画を立案する際に、適正在庫に落ち着くように投入量を調整するというケースで、生産能力や歩留まりの制約があって機械的に計画を策定できないので、ベテランが鉛筆なめながら考える場合です。こんな場合でも、適正在庫がわかると計画づくりが大変楽になります。

 

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適正在庫のパイオニア|勝呂隆男(すぐろ たかお)

◼︎資格
文部省科学大臣 技術士(経営工学部門 39376)
経済産業大臣登録 中小企業診断士(現在休業中)
DETAILED WORK-FACTOR (SMC)

◼︎公職・所属
(1999-2005)   早稲田大学 招聘講師
(1999-)      中小企業大学校 講師
(1999-2000)   職業能力開発総合大学校 非常勤講師
(2004)    東京工業大学 招聘講師
(2004-2005)  経済産業省 戦略的基盤技術力強化事業中間評価委員
(2014-)               経済産業省委託 日本ロジスティクスシステム協会事業
「次世代物流システム構築事業」コンソーシアム委員