2016年10月25日(火)週刊 適正在庫の視点からvol.125 【在庫削減の経済効果は、そんなに大きいのかという疑問】

適正在庫の広場 TSCブログ
2016/10/25

おはようございます。

メルマガ「週刊 適正在庫の視点から」の勝呂隆男です。

【在庫削減の経済効果は、そんなに大きいのかという疑問】

30年来の疑問ですが、いまだに多くの方から寄せられる疑問です。 それが、先週号に述べた内容をきっかけに、氷解し始めています。

 

先週号の記事には多方面から大きな反響をいただきました。

物理学、化学など自然科学系の方々からは概ね好意的な同意・共感をいただいたのですが

数理工学系の方、特に金融工学にご関係のある方々からは、これって反発かしらっていう反応が寄せられています。

 

金融資本経済の基本理論に位置づけられる「ブラックショールズの公式」に疑問を呈したわけですから 当然と言えば当然ですがw

 

前回の考察は、時間場の理論の視点でちょっと考えてみたらの疑問だったのですが ことは、ブラックショールズの公式の次元が合うのか合わないのかという枠組みを超え始めています。

次元解析の手法については諸説(?)あるようなので、これを争点にすると泥沼化しますから とりあえず、この点での議論は保留と致します。

 

大きな問題は、金利計算に自然対数を用いているということです。

自然対数とは、高校数学で「e」という記号で出てきた定数です。

ずいぶん、頭を悩まされた方も多いと思います。

(公式は債券価格S=e^(rt)とおいて偏微分方程式を解いて得られています)

 

この自然対数、実はコンピュータが(どころか電卓も)無かった時代に 金利計算を簡単に行う方法の研究から生まれました。

そして、その際、時間(付利期間)を0(ゼロ)に近づけていった場合の極限値として 定義されているのです。

17世紀の数学者、ヤコブ・ベルヌーイが利子の連続複利計算技術として発見したとされています。

 

時間は離散量であるとする時間場の理論の立場には当然相反するわけですが それよりも、連続複利という、現実にはありえない前提条件が問題です。

複利計算では、年利が同じでも、複利期間を1年単位よりも半年単位、1ヶ月単位、1日単位と小さくしていくと 実効金利はどんどん大きくなっていきます。

これを、1秒、1秒の百分の一、千分の一、、、、と極限までゼロに近づけていくのが連続複利の考え方です。

 

ところが、現実の金融業務では、こんなことはしていません。

いくつかの銀行や、全国銀行協会、また某県の県税事務所に問い合わせた結果です。

ある銀行では普通預金の利息計算を毎日の残高に対して1日単位で行い、半年単位で複利計算しています。

県税事務所の公務員の方は条文まで示して、税の延滞金計算の最小時間単位は1日であり、しかも単利であることが法律で定められていると教えて下さいました。

 

つまり、市中金利が科学的に間違った手法に基づいて算定されているために 【お金の時間的価値】とでもいうべきものが、法外に高く設定されていることになります。

 

税務の世界でも、延滞利息の利率は、明治時代の日歩四銭という市中金利に由来しており 請求の根拠は遅延損害金としてであると法的にも定められているのだそうです。

ということは、百万円の税金を期限通りに納付してもらっていれば、 その百万円を運用することで得られたであろう金利分の利益を失った損害賠償としてであることになるわけです。

 

実はこの発想は、在庫削減を推奨する根拠となるものでもありました。

在庫として資金を眠らせることで、その間に得られたであろう資金の運用益が、在庫保有コストとして計上されるからです。

また、在庫削減効果をキャッシュフロー増大に置いたとしても同じ点に行き着きます。

 

そして、在庫削減にかぎらず、製造業を始めとする企業へのコストダウン圧力の行き過ぎの原因もここにあります。

上場企業は株主から投資利益(配当と株価上昇)を求められるのですが、その利益率の根拠が市中金利にあります。

上場企業でなくても納入先から毎年毎年の単価引き下げを要求されて、 血のにじむようなコストダウン活動をしなければならない原因の行き着く先は、ここにあるのです。

 

つまり、お金そのものの時間的価値が、実際よりも高く見積もられていた!!!という訳です。

これは、現代の金融商品には元々バブルを引き起こす原因が内在されていたということを意味します。

 

読者の皆さん!大変なことになりましたよ! 世界金融経済のバブルがはじけるかもしれません(^.^)

 

経営者が大変なのは投資家からの期待投資利益率が高すぎるからで、 それが従業員や取引先に転嫁されて、仕事がきつくなっていくわけです。

競争の激化だけが事業環境の悪化を招いているのではなく 金融経済の根本にその原因があるのです。

そして、経済危機の頻発により、世界金融経済が破綻に向かっているのも その原因は、科学的に誤った金利計算手法にあったというわけです。

 

でも、お金そのものが持っている価値というのは みんなが認めてはじめて決まってくるものですから まずは、 「お金持ちというだけで人や組織を尊敬してしまう悲しい性をあらためて お金を増やすこと自体を目的とする活動をやめる」 というところから始めるというのはいかがでしょう?

(参考文献:「金融工学入門」デービッド・G・ルーエンバーガー2002(原著1998))

 

【やさしくあるこうよ】

俺たちを動けないように縛ってるのは信号機じゃなくて、目に見えないもんなんだよ。

ー金城一紀『SPEED』より

 

【ご感想は本メールへの返信でどうぞ】

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2016年10月21日(金)週刊 適正在庫の視点から 【号外】TSC後援 絵画展のご案内

適正在庫の広場 TSCブログ
2016/10/24

おはようございます。

メルマガ「週刊 適正在庫の視点から」の勝呂隆男です。

テクニカルソリューションズ株式会社 Time Engineer’s Room (東京五反田)にて Jスタッフで夢叶アーティストの町田藻映子さんの絵画展を開催しています。

平日夜だけの素敵な展覧会です。

本日夜でも、ご都合のつく方は是非お立ち寄り下さいませ。

https://www.facebook.com/events/102623710212701/

 

> 町田藻映子 (Moeko MACHIDA)

『遠いことと憧れ』

平日の夜だけの 絵画のインスタレーション展示

【会期】2016年10月17日(月)- 10月25日(火) 17:30~20:30

※土・日(22・23日)は休廊日です。平日のお仕事帰りにどうぞお立ち寄りください。

レセプション・パーティー : 10月17日(月)17:30~20:30 18:30より

作家によるダンスパフォーマンスも行います。

入場無料。

全日作家が在廊します。

【会場】time engineer’s room

東京都品川区西五反田1-11-1 アイオス五反田駅前ビル408号室

TEL 03-6420-3952 FAX 03-6420-3954

山手線/池上線「五反田」駅 徒歩3分 浅草線「五反田」駅 A1番出口より徒歩5分

◆一階エントランスで408+ 呼出 ボタンを押し、「展示を見に来た」とお伝えください。

※弊社の社長室だったスペースでの開催です。現在の社長室は秘密の場所に移転しました(^.^)

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町田藻映子 (Moeko MACHIDA) 2015年京都市立芸術大学大学院で日影圭研究室にて修士課程(日本画)を修了。絵画制作の主題にアプローチするため、コンテンポラリーダンスをヤザキタケシに舞踏を由良部正美に学ぶ。2014年マイクロレジデンスFeldstärke International(エッセン・マルセイユ・京都)に参加、2015年京都市立芸術大学修了作品展で奨励賞受賞、2016年2月個展「何時か何処か今の此処」(ギャラリー知、京都)を開催。現在、千葉県を拠点に創作活動を行う。

http://lagalaksiafervojo47.wixsite.com/moeko-machilde

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【後援】テクニカルソリューションズ株式会社 夢叶事業部

この度、夢叶アーティスト・町田藻映子氏の個展を開催いたします。是非ご高覧くださいませ。

 

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2016年10月18日(火)週刊 適正在庫の視点から Vol.124【ブラックショールズの公式】

適正在庫の広場 TSCブログ
2016/10/24

おはようございます。

メルマガ「週刊 適正在庫の視点から」の勝呂隆男です。

【ブラックショールズの公式】

先月の、安全在庫の古典理論計算式云々の記事には大きな反響をいただいたのですが 勢い余って、ブラックショールズの公式についても、ディメンジョンチェックをしてみました。

すると、「ありゃっ、これってもしかして、、、」

ということになってしまいました。

つまり、この公式は科学的な誤りではないかということです。

ブラックショールズの公式というのは金融工学の基本ともいうべきもので さまざまな金融商品の価格決定に応用されている理論式です。

この理論によりノーベル経済学賞も与えられています。

事は重大なので、各方面の友人に確認をお願いしているのですが もし本当に、この公式が科学的な誤りだとすると、、、 科学的に誤った理論に基づいて経済活動が展開されていることで 近年の経済危機は頻発しているのではないか?

こんな素朴な疑問が湧いてきます。

この公式に目をつけたのは 在庫理論と金融工学は、共に確率理論を基礎に置く同根の理論であるからなのですが 金融の世界では、金融工学に基づくオペレーションが定着しており さらに、お金の移動は瞬時に行われるので、危機頻発までの期間が短かったのではないかと思います。

在庫管理の世界では、現場までは在庫理論はなかなか普及しておらず モノの移動はお金ほど速くはないので、危機が表面化するのに時間がかかっているのかもしれません。

数年前に「サプライチェーンハンドブック」(朝倉書店、2008年) という専門書の翻訳に携わったのですが、 ここには、トヨタ生産方式を欧米の学者が研究して生まれた高度な数学理論が展開されていました。

そして、その理論の基礎が先の安全在庫の古典理論式だったのです。

安全在庫の古典理論は科学的な誤りであったことが明らかにされましたので APIMは、古典理論ではなく、時間場の理論に基礎を置く新しい在庫理論への作り替えが完了しております。

ところが、世界のサプライチェーンマネジメントは、科学的に誤った理論に基づく技術で運営されており 金融の世界で起こったことが、こちらでも頻発するようになるのではないかと懸念しています。

実際、在庫削減の行き過ぎによる弊害や、メガ流通の横暴、あるいは災害による供給停止問題など サプライチェーンマネジメントの世界にもその兆しはみられます。

サプライチェーン危機が頻発する前に APIMの普及を急がねばと思っております。

【やさしくあるこうよ】

「俺はだんだん療ってゆくぞ」 コロコロ、コロコロ、彼の小さな希望は深夜の空気を清らかに顫わせた。

ー梶井基次郎『ある心の風景』より

 

 

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第4回(通算62回)安全在庫の古典理論計算式は科学的な誤りでした

|公式を鵜呑みにしてはいけない

 

数学や物理の受験勉強では、公式や定石をたくさん覚えて試験に臨んだ方が多いと思います。

モノづくりや生産管理の世界にも公式・定石はたくさんありますが、これを鵜呑みにしてはいけません。

なぜなら、そのようなテクニックができたときの前提条件が変わってしまったら、役に立たないどころか害悪にすらなることがあるからです。

学校の試験では前提条件がきちんと決められていますが、

現実のビジネスの世界は日々変化を続けており、誰も前提条件を保証して採点をしてくれるわけではないからです。

 

生産管理でよく使われる公式に、安全在庫計算式がありますが、
最近、Yahoo!知恵袋からこんな回答要請がありました。

 

ID非公開さん 2016/8/2915:34:11

「適正在庫数と安全在庫数の求め方を教えてください。 全くわかりません。

 

 

いろいろ調べたところ、

 

適正在庫数の求め方

適正在庫数=その商品の1日あたりの平均売上数×発注から納入まで日数×安全率

安全在庫数の求め方

安全在庫量=安全係数×出庫量の標準偏差×√調達リードタイム

 

ここまではわかりました。

適正在庫数>安全在庫数 となるのはなぜでしょうか?

 

私はこの質問に対して、次のように回答しました。

 

適正在庫の公式定義は以下の通りです。

適正在庫 = サイクル在庫 + ミニマム安全在庫

欠品防止のために決めたサービス率を必要最小限満足させるミニマム安全在庫を保有して所定の販売・需給・輸送ならびに在庫の管理方式をとったときに工場または販売拠点等が保有する適正な平均在庫のことである。

(『工場管理』誌2016年2月号にて告示・公開済)

 

適正在庫、安全在庫の間違った俗説に振り回されているようですが、問題意識をもったことは大変素晴らしいことです。 もっと勉強したかったら、私の名前で検索してみるといいでしょう。 ご健闘をお祈りします」

 

在庫理論は純粋に数学論理で構築されていますので 正誤は論理的に明らかにされるのですが、

最近、この手の質問に対する回答要請が多く、世の中には誤った俗説が溢れているように思えます。さながら、悪貨が束になって良貨を駆逐しようとしてるかのような感もあります。

 

|安全在庫計算式のディメンジョンチェック

 

約半世紀前に生まれた「統計的安全在庫の理論」(安全在庫の古典理論)では、安全在庫計算式として次式を示しています。

 

安全在庫  ss=k√Tσ‥‥①

(k:安全係数、T:リードタイム、σ:需要標準偏差)

ここで、標準偏差は次のように計算されます。

標準偏差  (※数式表示不可のため、計算式省略)‥‥‥②

これを基に①式をディメンジョンチェックすると、

[N]=[√TN]‥‥‥‥‥‥‥③

(N:個数・回数、T:時間)

 

となり、左辺と右辺の単位が異なるために、この公式は論理的に誤りであると結論づけられます。

 

ディメンジョンチェックというのは、物理学者がよく使う手法であり、ある公式が導出されたときに左右両辺の単位を調べて左右で単位が一致するかどうかで、正しい公式かどうかを確認するものです。科学技術の基本中の基本となるものです。

 

|リードタイムの数え方を変えると

 

以上に示したように、

安全在庫の古典理論による計算式は科学的に誤りであったことが証明されてしまいました。

半世紀以上にわたって定説とされ、大学でも教えられており、情報処理技術者試験など、国家試験資格などでも出題されていたものですから、かなりショッキングなことです。

私も大学で学んだ計算式を何の疑いもなく受け入れて、日刊工業新聞社発行の自著でも解説していましたので責任を感じております。

 

幸いにも、自著では、現代では使い物にならない理論式として批判的に扱っており、それを改良する理論としての適正在庫理論を紹介しておりました。

 

そしてこの理論では、特許にもなった新しい方式でリードタイムを数えます。

この教え方に基づきディメンジョンチェックを行うと④式となり、科学的に正しい安全在庫計算式であることが確認されます。

これでまずは、一安心です。

[N]=[N]‥‥‥‥‥‥‥‥‥④

 

この正しいリードタイムの数え方とは、1回、2回、3回…と回数を数えるように時間を数えることです。

つまり、飛び飛びの値で時間を数えるということで、時計でいうと、アナログ時計ではなくデジタル時計の方が正しい時間の数え方であるということになります。

 

これも誤った俗説の部類になりますが、

安全在庫計算式①の√の中に、半月だから0.5カ月であるなどと少数の値を入れて計算するのは、完全な間違いということであります。

 

以上に示したように、世間で常識とされている公式には間違ったものが含まれていますから、

それを鵜呑みにせず、まずは地頭で考えることが大切なのです。

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適正在庫のパイオニア|勝呂隆男(すぐろ たかお)

◼︎資格
文部省科学大臣 技術士(経営工学部門 39376)
経済産業大臣登録 中小企業診断士(現在休業中)
DETAILED WORK-FACTOR (SMC)

◼︎公職・所属
(1999-2005)   早稲田大学 招聘講師
(1999-)      中小企業大学校 講師
(1999-2000)   職業能力開発総合大学校 非常勤講師
(2004)    東京工業大学 招聘講師
(2004-2005)  経済産業省 戦略的基盤技術力強化事業中間評価委員
(2014-)               経済産業省委託 日本ロジスティクスシステム協会事業
「次世代物流システム構築事業」コンソーシアム委員

適正在庫セミナー_テクニカルソリューションズ(株)

 

2016年10月11日(火)週刊 適正在庫の視点からvol.123【リードタイム時間の数え方】

適正在庫の広場 TSCブログ
2016/10/05

●勝呂隆男のメルマガ『週刊 適正在庫の視点から』    3846部

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Vol.123 ーーー>【リードタイム時間の数え方】

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おはようございます。

メルマガ「週刊 適正在庫の視点から」の勝呂隆男です。

【リードタイム時間の数え方】

リードタイムの数え方が、飛び飛びの値になるという発見から 適正在庫理論は始まったのですが、

時間の数え方を飛び飛びの値として、つまり離散量として扱う分野は 世間を見回してみると他にもありそうです。

たとえば、金融業。

複利計算をするときには、日単位であったり月単位であったり、いろいろですが 預け入れあるいは借り入れ期間の末日時点での残高に対して利子計算を行います。

つまり、預け入れ・借り入れ期間が1.5ヶ月とか2.3ヶ月としての金利計算は されていないということです。

これは、時間を離散量として扱っていることを意味します。

他にも、時間を離散量として扱う分野はありそうですが、 在庫管理の必要な産業(農業、製造業、流通業など)も 金利計算の必要な金融業も どちらも、ニュートンの物理学と微積分学に始まる、 400年前の近代科学成立以前からある分野です。

ニュートン力学は 宇宙全体を流れるたった一つの連続量としての絶対時間を仮定して それを数学的に扱う微積分学と共に 成り立っているのですが、 その仮定が間違っていたのかもしれません。

ソニー創業者の井深大氏は

「デカルトとニュートンに始まる近代科学のパラダイムを乗り越えよ!」

と遺言されたそうですが、

私は、近代科学にパラダイムシフトを起こすべく 「時間場の理論」の研究をすすめています。

協力者を大募集中ですので お志のある方、ご連絡をお待ちしております。

 

【やさしくあるこうよ】

瞬間の集積が時間であり、時間の集積が人生であるならば、私はやっぱり瞬間を信じたい。

―江國香織『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』より

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