2018年3月27日(火) 週刊 適正在庫の視点から Vol.194【一番だけじゃダメなんじゃない?】

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/03/29

【一番だけじゃダメなんじゃない?】

 

美女来たるの報をうけて、蓮舫さんとツーショットを撮りに行きました。
「一番じゃなきゃダメなんですか?」の方でしたので、 この問題について考えてしまいました。

まっさきに思い浮かぶのが、 受精の瞬間の光景です。

たくさんの精子が卵子を目指して一番乗り競争を繰り広げ、
どれかが最初に到達した瞬間に受精卵になり、
遅れたものは消えていく、、、 保健か理科の授業でこんなことを教えらえた記憶があります。
一番を目指す価値観の原点はこの辺りにあるような気がします。

でもこれってほんとかな?

一番先にたどり着いても、 へたれだったら相手にされずに受精させることができなかったり、
一番乗りだからということで、卵子の中に入れても受精させる力がなくて 後からの方々への門戸を
閉ざさせるだけで、卵子諸共消えていく、、、 これが実情ではないかと思いました。

だから、一番だけじゃダメなんじゃない? となるわけです。

未開部族や動物界・生物界、あるいは自然界の現象を手掛かりに
人間のありかたを示す発想には気をつけなければならないなと思います。
たいていの場合が、自分の主張に都合の良い現象だけを取り上げているだけだからです。

 

 

【紫の花に詩を織る】

「それじゃあ、ひとつ秘策を教えましょう」 「え?そんなものがあるんですか!」
「ありますよ。ズルをすればいいんです。」 「え?ズルですか?」

(中略)

勝負というのは、「勝ちたい」と思った瞬間に汚れが入ってしまう。
だから私は、「勝ち」よりも「強くなる」ということを大切にしろと言い続けている。

桜井章一

 

 

2018年3月20日(火) 週刊 適正在庫の視点から Vol.193【沈黙は金なり】

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/03/20

 

 

【沈黙は金なり】

医師から、発声禁止を申し渡されて10日間が過ぎましたが、
沈黙生活というのも悪くはないな、と思っています。

それは、タイトルにあるように沈黙の価値に気づくことが出来たからです。
外部コミュニケーションにおいて沈黙を武器に転ずるという意味合いもあれば
内部コミュニケーションとしての内観の充実という側面まで、
いろいろですが 最近の私のキーワードは「深い沈黙の価値」となりました。

お仕事関係で言葉のやりとりが必要な方々にはご迷惑をおかけしておりますが、
iPadアプリを活用しての、面と向かってリアルチャットシステムや、
手書黒板アプリなどで 言語コミュケーションについては、かえって正確性が増したように思います。

非言語コミュニケーション、あるいは非音声コミュニケーションについては
言葉を使わない方がかえっていいんじゃないか?ということに気づきました。
通常の日常生活は、笑顔と身振りだけで十分だし、余計な言葉を発しない方が かえって
良好な関係を切り結べることも多々あるからです。

あと、バリアフリーチェックというメリットもありました。
普段は、スタバってオシャレすぎて敬遠していたのですが 店員さんの応対が神対応で、
見直してしまいました。 自分が声を出せないことを全く意識させない応対で、
しかも優しい思いやりを示してくれたのです。 さらに、葉山御用邸まわりを警護されている警察官の方々。
いつも元気に挨拶を交わしているので、お一人の方に身振り手振りで声を出せないことを伝えたら
数分後には全員に情報共有がされていて、VIP(?笑)対応をされるようになりました。

最近、ディベートのワークショップに通っていたのですが あらためて振り返ってみると、
「言葉って攻撃の武器になることが多いな」という気づきに至りました。
ディベートというのは、YesかNoかはっきり決められないことを あえてYes100%とNo100%の陣営に分けて
論戦を戦わせるという知的なゲームなのですが ここでは、音声言語を武器として使う手練手管が飛び交います。

勝敗を決するのは、論理ではなく、観客の投票なので
感情を揺さぶる優しい言葉も有効な武器になることがあります。 とすると、戦時は別として、
平時においてはやっぱり 「男は黙ってサッポロビール」 だな~って思えてきました。

【やさしくあるこうよ】

「あの星とこの星を結んで」と説明しても、並んで夜空を見上げるひとに、
正確に伝わっているのかどうかはわからない。確認する術もない。
そんなとき私は、文蔵と見た夜空を思い起こす。全天の星が掌に収まったかのように、
すべてが伝わりあった瞬間を。あのときの感覚が残っているかぎり、信じようと思える。
伝わることはたしかにある、と。

ー三浦しをん「冬の一等星」より

 

 

 

2018年3月13日(火)Vol.192 【声がまったく出なくなりました】

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/03/20

 

【声がまったく出なくなりました】

今年の311の前日朝に目覚めると、声がまったく出なくなっていました。
数ヶ月前から声が枯れ始めていて、 年相応に渋くていいんじゃない?という評判が、
まんざらでもなかったので放っておいたのですが、 さすがに全く出ないと仕事にも差し支えるので、
医者に行きました。 おそらくは良性の、声帯ポリープという診断で、
声を出さずに1ヶ月ほど安静にしていれば大丈夫ということでした。

なので、しばらく電話にも出られないし 声を出す活動を控えることにしますので ご関係の方、
どうぞよろしくお願いいたします。 だみ声が始まった当初は チェルノブイリ後に頻発したという
喉の障がいを疑いました。 福1爆発の日に諸事情により無理して外出してしまったことを
原子力関係の仕事をしていた近所の友人に話したら その日は会社から連絡があって
雨戸に目張りまでして外出をしばらく控えていたのだと 聞いていたからです。

そうか、俺はヒバクシャか、、、 と一人で勝手にしみじみしていたのですが、
医師の説明では、歌手など大きな声をだす人の病気だということでした。
確かにセミナーなどで長時間お話しすることはありますが、 それほどもないのになと疑問に思っていたら、
ハッとしました。 このところ、夢の中で叫ぶことが多かったからです。

「あぶないぞ~、みんなそっちに行っちゃだめだ~」と。 いろいろ騒ぎすぎだから、
ここはおとなしくしておくようにという 宇宙からのメッセージだという珍説もありますが(笑)
しばらくの我慢ですので、、、 おもしろいことを言って笑わせたり、
やさしい声をかけてあげられなくなったことが いちばんつらいですかね、、、

【紫の花に詩を織る】

私は、あなた方の体の咽頭と呼ぶ部分から喉頭と呼ぶ部分へと続く筋肉の半ば手前で、
音を出したくなった。それがたぶん、あなた方にとって「泣く」ということだ。鳥も鳴く。
虫も鳴く。でも魚は泣けない。泣くには空気がいる。あなたたちが生きるために空気が必要なように、
泣こうと思った人魚は気がついた。

野田秀樹「逆鱗」より

 

 

2018年3月6日(火)Vol.191【空き地がなくなった時代のフロンティア】

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/03/20

 

【空き地がなくなった時代のフロンティア】

むかしむかし、地球がまだそれほどせまくはなくて、 あちこちに空き地がたくさんあった時代。
仲間はずれにされた、異教徒もLGBTも異形の者も しずかにその地を去って、
荒れ地の開拓民となって生き延びることができました。

いま、世界がとてもせまくなって どこへ行っても、個人識別される時代になってしまいました。
難民問題・移民問題の背景には、こんな時代状況もあるのだと思います。
これまでに述べてきた「ハイブリッド・コミュニティ構想」は この問題解決にいちばん効きそうです。
いまの社会が息苦しくて SNSやバーチャルゲームの世界に逃避しても 結局、
課金があったり広告に洗脳されたりと 現状のレガシー通貨圏の中での生活から逃れられないことには
変わりありません。 そこで、出入り自由なコミュニティに民間通貨を紐づけることで
ハイブリッド・コミュニティとして、沢山生み出そうという発想です。

自分で自由に選択して入ったコミュニティの中で通用する民間通貨を
流通させればいいんじゃないかなというアイデアです。 独自の民間通貨とセットで、
様々なハイブリッド・コミュニティ同士の切磋琢磨が起こり すみごごちの良いコミュニティに成長する、、、
現代テクノロジーはすでに、このアイデアを実現可能な段階に来ているんだと思います。

【やさしくあるこうよ】

けれど今、家族を作るものは根っこではないのではないかと良嗣は眠りに沈みゆく頭で考え、
その考えに自分でもはっとする。 根っこではなかったらなんだ? 希望だ。
答えはすぐに出る。そうだ希望だ。いっせいに花の咲く異国の春、祖母はたぶん希望を見たんだ、
ぼくらの最初はそこにあるんだ。

ー角田光代『ツリーハウス』より

 

第21回(通算79回)恵方巻と、食の安心コミュニティ

 

【コンビニでのバイトが在庫管理の原点】

 

私の発行しているメルマガ『週刊適正在庫の視点から』でコラム欄を担当している尾関優歩さんから、本掲載への応答として、「肉まんは、分け合って食べるとおいしい」というメッセージをいただきました。

 

このメッセージから、食の安心コミュニティという着想が起こりました。食べる人だけでなく、畑を耕す人、漁をする人、牛を育てる人、運ぶ人・・・そして料理する人、という人々のつながりの中での食をとらえるべきだという発想です。

そんな折、「恵方巻きにみる食品廃棄ロス問題」を解説をして下さいと依頼されましたので、昨年まで、経産省・国家プロジェクトの有識者委員として食品廃棄ロスを削減する活動を3年ほど行っていた経験を踏まえて、この問題を考えてみたいと思います。

 

この場合、廃棄ロスを極力少なくするためには、適正在庫を計算して、その値に基づいて生産計画を立てればよいというシンプルな結論になってしまうのですが、わかっていてもなかなか思い通りにいかないというのが世の常なので、そのあたりを地頭アプローチで攻めていこうと思います。

恵方巻きの大量廃棄問題は、コンビニが恵方巻きキャンペーンを始める様になった10年位前からということです。なので、まずは私とコンビニとのかかわりから話を始めたいと思います。

 

もう40年以上昔になりますが、大学生時代に、安下宿の近くにできたばかりの、セブンイレブンでバイトをしていました。冷蔵庫への飲料の補充係を担当していたのですが、思うに、在庫管理とのかかわりは、このバイト経験が最初といえるかもしれません。完全防寒装備で冷蔵庫の中に入って、補充陳列作業をするのですが、1回の入室作業が終わると眉には霜がつもり、手はかじかんでしまい、しばらくは動けなくなります。そのため、いかに最適なタイミングで補充作業を行うかという、在庫管理問題とスケジューリング問題を複合したようなことに頭を使っておりました。

 

待機時間にはバックヤードで店長さんから、いろいろなお話を聞いたりして、とても良い人生勉強になりました。お若い店長さんでしたが、深夜にコンビニにたむろする若者からも慕われる立派な方でした。その後、コンビニやスーパーの店員さんや店長さんたちとすぐに仲良くなることが多かったのは、この時の経験が活きているのかもしれません。

 

 

【恵方巻き問題の現場確認】

 

こんなわけで、いつも仲良くしているコンビニ・スーパーの店長さん3人に早速、お話を聞きに行ったところ、今年の恵方巻きは大量に廃棄をしなくて済んだのですよという答えが返って来ました。ローソンさんとは、先の経産国家プロジェクトで仲良しになり、お互い本社が近いこともあってランチ会などもやっていた関係でした。

 

その店長さんが開口一番、「廃棄はゼロでした。欠品の苦情もありませんでした」と胸を張っていうのです。新店舗なのでほかのコンビニの動向やこれまでの経緯は分からないということでしたが、自店の仕入れ数は見事に的中したようです。業界情報としては、今年はスーパーが生産量を絞り込んだので、大量廃棄はなかったということでした。

 

スーパーの動向も知りたく、いつもタイムセールのお惣菜を酒の肴に買って、お世話になっている地元スーパーを訪ねたところ、店長さんは、いつもは値引きタイムセールがうまく働いて、食品廃棄ロスはないのだけれど、今年の恵方巻きはちょっとだけ捨てちゃいましたと残念そうにしていました。ただ、その数を聞いたところ、本当にわずかでしたので、誤差範囲と認定できます。食べ物を捨てるのはよくないことだという意識が徹底していて、それでタイムセールをきちんとされていたわけでしたし、このお店は、バックヤードで調理をするので、製造販売一体運営でも在庫ゼロにはならない事例といえます。 次に訪れたのは一番馴染みのセブンイレブンですが、ここも今年は廃棄ゼロで済んだということでした。

 

つまり、恵方巻きの食品大量廃棄問題は、実は今年に限っては存在しなかったようです。ただ、私の身近な事例に限られますので、本当に今年は恵方巻きの大量廃棄がなかったのかというと、断定はできませんので、直接相対してのお話内容と、店内現場の印象から判断したところを以下に述べたいと思います。

【大事なのは信頼できるコミュニティづくり】

 

3店舗に共通するのは、店長さんも店員さんも皆がお客様に良質の食べ物を安心して食べてもらいたいという気持ちを持っていることでした。最後の事例のセブンイレブンの店長さんは、自らの身体で、20Kgのダイエットを宣言し、その過程を公開し、見事に達成したのですが、自分のお店のお弁当を毎日2回食べたうえでの、ダイエットだったというのがすごいです。昔の姿を知っていましたので、確かにスッキリしたことが確認できました。

 

成功の決め手は商品すべてにカロリー表示があることで、1日1,500キロカロリーにコントロールできたのはこのおかげだということでした。セブンイレブンは食品などの添加物を極力排除することに努めているので安心だよ!ということを、自らの身体を使ってお客様に示してくれたと言えます。

 

このように、恵方巻の廃棄ロスをなくすには、食の安心を目指すコミュニティを選択できるシステムをつくるというのが、私の回答となります。さらに、欠品粗利保証とか、3分の1ルールとか、返品商慣習などといったサプライチェーン体制に起因する問題には、適正在庫コミュニティづくりという構想があります。これらのコミュニティ構想については、そのキーテクとなる民間通貨との関連で、後ほど紹介したいと思います。