第26回(通算84回)良い電子マネー、悪い電子マネー

 

【中国の電子マネー事情】

 

福州市在住の架橋令嬢の陳さんは、「中国ではお金がなくても生活できるようになったのよ」と嬉しそうに言っていますが、広告会社の東京オフィスに出稼ぎに来ている李君は、「中国ではお金がないとなにもできない。彼女もできない」と、正反対と思われるような発言をしています。“お金”の持つ意味が多様化してきています。

さて、トリビアですが、中国では「円」を「日元」と標記するようです。中華思想だなと苦笑を禁じ得ませんが、陳さんとWeChatのTV電話で情報交換をしているときに私が「金がないよ〜。オレ、ビンボーなの〜」とぼやいたら、早速にWeChatマネーを送ってくれたことがありまして、日本円に換算しようかと調べて判明しました。ちなみに、送っていただいたWeChatマネー(元でした)ですが、当時は日本では換金することができず、額面もわずかでしたので、お気持ちだけいただいて記念品にしています。おそらく華僑の方々はこんな形で海外送金をしていたのだと思います。華僑同士の決裁では現地通貨に換金する必要がないわけですから、なるほど合理的です。初期のビットコインが、海外在住の中国人達主導で広まった背景が理解できます。

2015年に本誌連載記事で紹介した「momo・mo構想」に沿う形で電子マネー社会が進展しているように思えますが、よい電子マネーとわるい電子マネーへの分化も進んでいるようですし、日本でも街角電子マネー状況が様変わりしはじめています。そこで、私の個人的な体験を交えて、現代電子マネー状況を分析し、よい電子マネーと悪い電子マネーの見分け方を考えてみたいと思います。

 

【可愛いい鳴き声の電子マネーは良いマネー!?】

 

私は古くから、ポイントカード・コレクターを自称しており、1軍12枚、2軍44枚のポイントカードを常にポケットに入れています。部屋保管の3軍まで含めると100枚を超える枚数になります。日本では、ポイントカードが決済用の電子マネーに発展している例が多いので、本稿では、「ポイントカード=電子マネー」として話をすすめます。

紙製のポイントカードも電子マネー扱いします。最近では、店頭で1軍2軍合計56枚を披露してコレクターであることを示すようにしていますので、自身のユーザー体験からだけでなく、お店の方々からの肉声も届くようになりました。

そのうえでの独断と偏見の結果が、この中見出し「可愛い鳴き声の電子マネーは良いマネー!?」となりました。つまり、お支払い時に「わおん」とか「にゃお」、「みゅう」と可愛い声で鳴く電子マネーは、なかなかによきマネーというわけです。「チャリン」というのもそのお仲間になります。

以下に、その判断の根拠となったことどもを示していきます。

はじめのうちは、スペックを基に優劣を判断していました。なかでもポイント付加率に注目していましたので、後発ながらダントツによかったのが「ドトールカード」です。これはスマホからクレジットカードでチャージすると10%のボーナスポイントが付加されるというもので、長らくマイベストカードの座を保っていました。

カフェ系ポイントカードの先駆けはスタバカードで、初期デザインカードを今でも使えているのが、私の密かな自慢です。店頭でも「よくお持ちになっていますね〜」と感心されます(笑)。ところが、このスタバカード、グローバル企業なのに海外店舗では使えないし、スペックもたびたび変更され、更に最近は貯めたポイントを支払いに使えるようにする手続きが面倒くさくなる方向に改悪されたので、あまり使わなくなりました。

スタバカードと同じく、waonカードも貯めたポイントを支払いに使えるようにする手続きが面倒なカードです。鳴き声はダントツに可愛いし、吉野屋の牛丼とオリジン弁当の支払いにはこのカードしか使えないので、やむなく使ってはいるのですが、その手続きの面倒さ加減といったらワースト1ではないかと思います。

これは資金の流れを止めることを意味しており、流れを止めない適正在庫理論に基づく判断であるわけですが、以上に示したように、スペックだけ、主としてポイント付加率で判断するのではなく、使い勝手まで調べないと良いカードなのかどうかは判断できません。ポイント付加率というのは金額の多寡での判断、あるいはPRしていることになりますが、価値を金銭換算された金額だけでしか評価できない人は信用ならないですよね。

という訳で、現状では「コレだ!」という1枚は見当たらず、それぞれ一長一短があるというのが実情です。

 

【使用に注意が必要なカードもあります】

 

ベスト1を示すことはできませんでしたが、利用に注意を要するカードを示すことはできます。それは、やはり鳴かないカードに分類されるカードですが、使った瞬間にリアルタイム位置情報がどこかに送信されてしまう種類のものです。どのカードかとは特定しませんが、間違いなく自分のリアルタイム位置情報がどこかの誰かに知られているようだとの確認ができています。

特に、電子マネーの先駆けであるEdyが使えないのに、これは使えるという場所での使用は避けた方がいいようです。支払いに使った瞬間に、自分の現在位置情報が割り出されて、なぜか不思議なことに、目の前にあるアイスクリーム屋さんの広告メッセがスマホに届くというようなことが起こっているからです。マーケティング利用だけならともかく、それを超える危険性もありますので、その対処法のヒントをお示しするとすれば「ドライブレコーダー」となります。

最近観た映画「暗殺の森」に触発されて、酷暑でぼけてしまった頭からひねり出した、電子マネー中間報告あれこれでした。

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