第17回(通算75回)民間通貨でお金の支配権を取り戻す

 

【民間通貨(NGC)時代の到来】

中国政府がビットコイン取引所を非合法化し、米モルガンスタンレーのCEOがビットコイン取引をしたトレーダーを解雇して、ビットコイン相場が急落したと思ったら、当のモルガンスタンレーがビットコインを安値で購入していたことが発覚したりと、仮想通貨の話題が絶えないようです。仮想通貨はその後、暗号通貨に呼び方を変えましたが、私は最終的には民間通貨(NGC :Non Governmental Currency)という言い方に落ち着くと思います。現状のドルやユーロや円、元なども非兌換通貨である点でその本質は仮想通貨であるわけですし、暗号通貨という表現では電子マネーの決済技術面しか表現できていないからです。一方、これまでの通貨のことをレガシー通貨と呼ぶのが最適のように思われます。

民間通貨は、現在、世界全体で数千種類発行されているそうです。いずれ淘汰が進み、種類が限られるようになったとしても、実体経済を回す活動を担う健全通貨と、投機対象にされる不純通貨に分かれることが予想されます。先のビットコインは総発行枚数に上限が設けられているために値上がり期待で購入する投機対象になってしまっているように思えます。21世紀の経済市民は民間通貨を選別する能力も必須になりそうです。 とはいっても、民間通貨の選択は、実は既に始まっています。Edy、Suica、waonなど、電子マネーの普及が急速に進んでおり、それぞれ一長一短のあるなかからどれを選ぶかという選択眼が必要になっているからです。これらは、今はまだレガシー通貨に紐づいている電子マネーの地位にとどまっていますが、賃金の支払いに使われるようになる頃から、独立した民間通貨に発展する可能性があります。バイト店員さんの賃金支払いなどから始まる可能性が高いので、waonやnanacoといった流通系電子マネーが先陣を切るのではないかと密かに予想しております。

個人的な趣味で言うと、waonは支払いタッチの際の鳴き声「わおん」がとても可愛いので、一番の期待の星です。電子マネーの先陣を切ったエディには「ちゃり〜ん」という素敵な音があったのに、その後に巨大化したSuicaは味気ない「ぴっ」だけなのが不満です。

人それぞれ、ファッション品を選ぶように好みの民間通貨を選ぶような時代が訪れると、民間通貨同士の競争が始まり、同時に民間通貨同士の合従連衡により相互乗り入れも進められて、利便性が高まるのだと思います。

そして、大切なのはその課程で人類が主導権を取り返せるチャンスが訪れるということです。お金というのは、人類の発明した最大の人工物ですが、いつか人間の方がお金に支配されるようになったように思います。民間通貨は、それを逆転させる可能性を生み出す発明なのです。

【” 経済的シンギュラリティ”とは】

シンギュラリティとは、人工知能の進化速度が人類の進化速度を超える特異点のことで、今世紀中に訪れると言われています。私は、これより早く経済的シンギュラリティが訪れるのではないかと思っています。政策研究大学院大学名誉教授、東京大学名誉教授の黒川清氏によれば、トータルキャピタルがトータルGDPをはるかに超えてしまっているのだそうです。これはつまり在庫論的に言うと、在庫月数12ヶ月以上の超過剰在庫ということになります。 通常こうなると、商品寿命は終わっていることが多いようです。

つまり、今の通貨は寿命が尽きかけているのかもしれません。考えてみれば貨幣は腐らないので、通貨が生まれて6千年の間ずっと、 発行済み総量が増え続けてきたのではないかと思います。

そして今、民間通貨がどんどん生まれており、レガシー通貨から民間通貨への富の移動が始まっています。この移動により、一方の残高が通貨の適正量に到達する時点が、経済的シンギュラリティということになります。実体経済を回している活き金の避難が終了すると、隠匿されていたレガシー通貨が短時間のうちに価値を失う可能性があると考えるからです。

そして、この通貨の適正量は、流れを止めない適正在庫の技術を適用することで、通貨の適正量を計算することができるのです。目下のところ、計算に必要なデータを集める方法のフィールドワークをしているところであります。シンギュラリティの起こる時点を予測できることは、社会的に大きな意義のあることだと思いますので、大いに張り切っております。

【電子マネーの活用のススメ】

そして、張り切りついでに、ひとつ提案をしようかと思います。この連載のシリーズ1の第48回に「”momo・mo”構想」と題して、時間泥棒から時間を取り戻すための工学的なシステムデザインを示しましたが、その延長になります。途中、今年の春にメルマガにて「momo・mo作戦」という、プレミアムフライデーより月曜午前の出勤自由化のほうかいいよ!という提案も致しましたが、今回の提案は、より具体的で誰でも直ぐに実行できる方策となります。

 

<momo・mo宣言>

万国のマルチチュードよ、電子マネーを使おう!

マルチチュードというのは、インターネット時代の新しい民衆像を指す言葉ですが、まさにネット決済の電子マネー時代にふさわしい生活提案となっております。なぜこのような提案をするかというと、多くの人が電子マネーを好んで使うようになることで、民間通貨同士の競争が促進されます。すると、ユーザーであるネット民衆本位の姿にお金が健全な発達を遂げて、その支配権を我々人間の手元に取り戻すことにつながるからなのです。

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