2018年1月25日(火) 週刊 適正在庫の視点から Vol.185【お客様は神様か?】

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/01/25

 

【お客様は神様か?】

私の友人の経営するレストランの天才シェフのつくるハンバーグは絶品の美味しさで、
TVでも紹介され、長蛇の行列ができるのですが、 あるとき、モンスター顧客に手を焼いたときに
友人の弟さんであるシェフに頭を下げさせておさめようと 「お客様は神様だから、、、」と言ったら
「神は俺だ!」と返したそうです。 これを聞いて、いたく感心した私は さっそく足を運んでみましたら、
確かに絶品の味でした。 TVで紹介される前の話でしたので 決して天狗になったわけではなく
自分の仕事に対して、本物の自信を持っていたのだと思います。

今年元旦の日経MJ第1面記事によれば、 昨年まで数十年間続いた、ニーズ志向マーケティングは終焉し、
今年からは、自信を持って本物を提供できる者の主導するシーズ志向時代になるそうです。
考えてみれば、お客様をお金を出す方と定義すると、 顧客第一主義というのは、拝金主義と同義になり、
世界全体の余剰資金を握っている方々だけに都合の良い ものやサービスばかりがはびこることになります。

顧客の顧客、顧客の顧客の顧客、顧客の顧客の顧客の顧客、、、、 と辿っていくと、最終的にたどり着く先には、
なにか邪悪なものがあるような、そんな感覚です。 私としては、世界の余剰資金額がいくらになるかを
算出できる適正在庫技術を 社会に自信を持って提供していきたいなぁと思っています。

【紫の花に詩を織る】
たまに自分で料理を作っても、自分の味しかしない。タコが自分の足を食べて腹を満たしているようで、
猫が自分の性器をペロペロと舐めているようで、何かを食べているのだという実感が全然わいてこないのだ。
料理は、自分以外の誰かが心を込めて作ってくれるから心と体の栄養になるのだ。

 

小川糸「食堂かたつむり」より

 

新しい在庫理論が管理実務を変える

適正在庫の広場 TSCブログ
2018/01/12

 

 

従来の在庫理論が使えない理由

–九十年代の中頃から日本企業にもi2テクノロジーズやマニュジスティックスなどの需要予測エンジン(APS:Advanced Planning and ScheduLing)が普及し始めています。本来、需要が予測できれば、在庫はなくなるはずです。

「ソフトウェアベンダーの売り文句を真に受けて誤解している方が少なくないようですが、基本的に需要は予測できません。それが在庫管理の前提です。確かに理屈としては予測が100%当たれば在庫はゼロになる。そんな発想から、販売計画に対する達成率で営業部門を評価するという取り組みも一部では見られますが、そんなことをすれば営業部門は縮小均衡に陥ってしまう。逆に予測がどれだけ当たらないかを予測して、それに応じた在庫を持つというのが基本的な在庫理論の考え方です」

–しかし実務家の多くは在庫理論を使っていません。

「従来の在庫理論の理論、私は『古典OR(オペレーションズ・リサーチ)理論』と呼んでいますが、これは40年前に確立した理論です。そのため現在では使い物にならなくなっている部分がある。流通在庫にはそれなりに当てはまるものの、生産在庫には使えない。しかし、それ以外に方法がなかったので、実務家はだましだまし使うか、あるいは『理論なんて使いものにならない』として切り捨ててきたのが実情です」

–使い物にならない部分とは?

「1つはコンピューターによる在庫管理に適応していないことです。古典OR理論はMAP(Material Requirements Planning:資材所有要計画)が登場する以前に開発された手法で、これを現在のコンピューター化された生産管理システムに適用して安全在庫を計算すると、過大な値になってしまう」

–MRPというのは、製品を部品に展開して必要な在庫量を計算するシステムのことですね。そして現在のERP(Enterprise Resource Planning:統合業務パッケージ)もMRPベースになっている。

「そのために現在のERPも、在庫水準の設定は担当者任せになっています。ERPやAPSには在庫基準値を入力して在庫を適正な在庫基準値を設定する理論がないため、そこは実務家が経験的に推測値を入力している。その結果、推測値が実際の適正水準より大き過ぎた時には在庫過多、小さすぎると欠品が発生するといった事態を招いています。」「また古典OR理論は生産に必要なリードタイムや顧客の要求する納品のリードタイムが一定であることを前提にしています。しかし、実際には生産も顧客の求めるリードタイムも変動するのが普通です。さらに月に1〜2回とか、週に1回といった間欠的な需要にも古典OR理論た対応していない」

 

【ITに経験と勘は通用しない】

–それに対して、勝呂さんは昨年9月に発行された著書「適正在庫の考え方・求め方」(日刊工業新聞社)のなかで新しい在庫理論を提唱されていますね。この手の専門書としては異例の売れ行きとも聞いています。

「従来の在庫管理の教科書は在庫理論について1〜2項しか割いていませんでした。単に計算式を紹介して、こういう考え方もあるけど、実際には勘と経験が必要ですといった事が書かれていたわけです。『適正在庫〜』では、その部分を一冊に拡大して論じました。その計算式で適正な安全在庫の水準が分かるのかということから、計算式を使って実際に在庫が減らすにはどうしたらいいのかという事を丁重に書いたつもりです」「そのうえで古典 OR理論をERPやAPSに適合するように修正した新しい在庫管理の手法として、私の開発した『 APIM(Advanced Production & Inventory Management :先端的生産在庫マネジメント)』の考え方を紹介しました。『APIM』は現在、特許も出願中です」

–APIMの考え方を簡単に説明していただけませんか?

「完全な受発注の場合、在庫は必要ありません。在庫が必要になるのは見込み生産のときです。しかし実際のビジネスでは受注生産と見込み生産で、きれいに分けられるケースはまれです。顧客の要求で納期よりも聖戦のリードタイムが長い時に、見込み生産による在庫が必要になるわけですが、要求納期も生産リードタイムも常に変動します。そのため受注生産と見込み生産が混在しているのが多くの会社の実態だと思います」「そこで APIMでは『見込み生産比率』によって受注生産分を安全在庫の計算から除く。そして、顧客の要求する納期と生産リードタイムのタイムラグ(実効リードタイム)から安全在庫の水準と発注点を求めるというアプローチをとります。これによって理論的に適正在庫を計算できるようになります」

 

【なぜ日本企業の収益性は低いのか】

 

–そもそも、勝呂さんが在庫理論に注目した理由は

 

「在庫は組織と組織の間に溜まるものです。それをコントロールするには、誰もが納得できる理論が必要です。理論がないと、力の強い組織の言いなりになってしまう。その組織だけに都合の良いことになってしまってしまう。それを避けるためには普遍的な価値を持つ、あるいは理論的に正しい数値を提示する必要が有ります。しかし、これまで日本には理論を受け入れる土壌がなく、理論そのものが使えなかった」

 

–そもそもこれまで日本企業は在庫を減らすことに、それほど重きを置いてこなかったのでは。

「企業によって温度差があります。トヨタは何十年も前からそれに取り組んできました。私が以前に勤めていた東芝もバブルが崩壊するまでの80年代後半からトヨタ生産方式の導入を目的とした在庫削減運動に徹底して取り組んでいました。そして最近、キャノンやソニー、 NECなどが本格的に生産革新に取り組むようになって、ようやく在庫の問題が経営者レベルで脚光をあびるようになってきた。しかしいまだにそうした意識のない会社の方が多いのが、日本の会社の実情だと思います。」

 

–経営者が気にしているような経営指標には、在庫削減の効果があまり鮮明には現れてきません。それも影響しているのでは。

「在庫の評価指標が未整備だという問題は確かにあります。それでも長い目で見れば在庫管理はその会社の収益力に影響してくる。今の日本の製造業の最大の課題は競争能力と収益力が一致しないことです。つまり、競争力があるのに儲からない。『強い工場、弱い本社』などと言われないように、現場はすごいけれど収益力はないという会社がいっぱいある。実際、エクセレントと言われている欧米の製造業者でも、現場は日本に比べるとはるかに下です。ところが会社の収益力ははるかに上。この違いは何なのか。やはり生産管理や在庫の適正化のようなシステム的なアプローチの違いだと私は考えています」

 

 

【新しい在庫理論が管理実務を変える】

月刊/ロジスティクス・ビジネス 特集/在庫削減の上手な会社
2004年2月

 

2018年 1月セミナーのお知らせ

適正在庫の広場 TSCブログ
2017/12/12

◼︎2018年1月19日(金)
第22回 新!適正在庫の考え方・求め方セミナー
東京・テクニカルソリューションズ本社にて開催

欠品を防止しながら在庫を削減する在庫適正化のためには、多すぎず少なすぎない適正在庫の値を正しく知る必要があります。また、その値を使って自社の在庫管理システムを上手に運用することも大切です。本セミナーでは、まず、自社の生産・調達・販売・物流システムに合った適正在庫を知るための基本を学び、次いで適正在庫をエクセルでも計算できるように、データの集め方から計算方法までを具体的に解説します。そして、実際に自分で適正在庫を計算して、その結果で在庫がどう推移するであろうかのシミュレーションを行って、正しい適正在庫を知ることの威力を確認します。

PCシミュレーション演習を行うことにより、適正在庫基準値を使ってどのように在庫適正化を進めたらよいかのノウハウも身につけていただけます。日本に安全在庫の古典理論を紹介し、適正在庫コンセプトを根付かせた伝説のセミナー「適正在庫の考え方・求め方セミナー」が、少人数制PC演習中心のセミナーで復活したものです。。
講師は、在庫理論の第一人者・勝呂隆男。単なる在庫削減ではなく、適正在庫を定めることで戦略的な在庫投資をおこない売上げを伸ばし利益を拡大する方法を徹底的に学んでいただきます。

 

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◼︎2017年12月25日(木)
第17回 適正在庫APIM無料紹介セミナー
東京・テクニカルソリューションズ本社にて開催

本セミナーでは適正在庫理論のパイオニア・TSC勝呂隆男が『APIMを活用して、在庫適正化をすすめる方法と考え方』を、ご説明します。適正在庫算出ソフトAPIMの導入をご検討されている方を対象として、その考え方と技術の概要を紹介し、
APIMで算出した適正在庫基準値を使って在庫適正化活動を進める方法を解説します。

 

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12月セミナーのお知らせ

適正在庫の広場 TSCブログ
2017/12/12

12月セミナーのお知らせ

 

◼︎2017年12月6日(水) 東京・テクニカルソリューションズ本社にて開催
 第21回 新!適正在庫の考え方・求め方セミナー

 

欠品を防止しながら在庫を削減する在庫適正化のためには、多すぎず少なすぎない適正在庫の値を正しく知る必要があります。また、その値を使って自社の在庫管理システムを上手に運用することも大切です。本セミナーでは、まず、自社の生産・調達・販売・物流システムに合った適正在庫を知るための基本を学び、次いで適正在庫をエクセルでも計算できるように、データの集め方から計算方法までを具体的に解説します。そして、実際に自分で適正在庫を計算して、その結果で在庫がどう推移するであろうかのシミュレーションを行って、正しい適正在庫を知ることの威力を確認します。

PCシミュレーション演習を行うことにより、適正在庫基準値を使ってどのように在庫適正化を進めたらよいかのノウハウも身につけていただけます。日本に安全在庫の古典理論を紹介し、適正在庫コンセプトを根付かせた伝説のセミナー「適正在庫の考え方・求め方セミナー」が、少人数制PC演習中心のセミナーで復活したものです。。
講師は、在庫理論の第一人者・勝呂隆男。単なる在庫削減ではなく、適正在庫を定めることで戦略的な在庫投資をおこない売上げを伸ばし利益を拡大する方法を徹底的に学んでいただきます。

 

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◼︎2017年12月20日(水) 東京・テクニカルソリューションズ本社にて開催
 第16回 適正在庫APIM無料紹介セミナー

本セミナーでは適正在庫理論のパイオニア・TSC勝呂隆男が『APIMを活用して、在庫適正化をすすめる方法と考え方』を、ご説明します。適正在庫算出ソフトAPIMの導入をご検討されている方を対象として、その考え方と技術の概要を紹介し、
APIMで算出した適正在庫基準値を使って在庫適正化活動を進める方法を解説します。

 

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2017年12月12日(火) 週刊 適正在庫の視点から Vol.180【徒党を組むことこそが悪ではないか】

適正在庫の広場 TSCブログ
2017/12/12

【徒党を組むことこそが悪ではないか】

 

12月10日は国際人権デーでしたが、私は学生時代に人権擁護活動のボランティアをしていました。アムネスティ・インターナショナルの活動委員として、海外の政治犯釈放運動などのお手伝いをさせていただいたのです。

ソ連の反体制物理学者サハロフ博士の救援活動などがカッコイイと思ってのことでしたが、実際のところは、活動資金作りへの協力として横尾忠則さん等に描いていただいたポスターの展示即売会場にポスターを運ぶ車(「流星号」と言ってました)の運転手などを楽しくやっていました。

ある年の人権デー記念講演会の講師依頼のために後に国連難民高等弁務官等を歴任された、国際政治学者の緒方貞子さんを、上智大学の研究室に訪ねたことがあります。そのとき、講師料ゼロ円でご快諾いただいたことと、帰り際に、素敵な笑顔で「がんばりなさいよ」と声を掛けていただいたことを、最近お話する機会を得た、ヒューマンライツウオッチ日本代表の土井さんの笑顔を見て思い出しました。

そして、その場に同席していた、ディビット・ロックフェラーJr氏に投げかけたのが先月のメルマガでご紹介した質問です。

 

Why human(rights)? Why not animal (rights)?,,,

How do you think about political identity?

このときの私の問題意識が、今回のタイトルであるわけです。

 

そのときのパーティで、ある方がこうおっしゃいました。

「人間が一番だと思っているのは人間だけで、犬や猫はそう思っていない」

 

なるほどと、その場では納得したのですが、そののち、考えたのはこういうことです。仲間の範囲を拡げたり狭めたりしたときの極限値は「私が大事」と「宇宙全部が大事」ということになります。「私が大事」は、認めなくてはならないと思ったのですが範囲を拡げていって、家族、仲間、会社、国、、、、と大きくなる過程で集団のために、自分の良心に反することでも、我慢したり、自分を犠牲にするようになるのでは、、と考えて、徒党を組むことが悪ではないかと、その当時は考え中でした。

 

さらにその後、考えを進めると「あれっ、これって適正在庫と同じじゃん!」と気づいて、今日に至っております。拡げすぎても、狭めすぎてもいかん!ということで、つまりは、極論を進めて、「原理主義」の罠に陥らないための技術が適正在庫算出技術に含まれているというわけです。

 

さあいよいよ、APIMが大事な世界になってきたように思えます(笑)

 

 

【紫の花に詩を織る】

聖書に表現されている「汝のごとく汝の隣人を愛せ」という考え方の裏にあるのは、自分自身の個性を尊重し、自分自身を愛し、理解することは、他人を尊重し、愛し、理解することとは切り離せないという考え方である。自分自身を愛することと、他人を愛することとは、不可分の関係にあるのだ。

 

エーリッヒ・フロム「愛するということ」より

 

【ご感想は本メールへの返信でどうぞ】

ときどき、本メールへの返信でご感想をお送りいただくことがあったのですが、とってもうれしいことなので、正式に受け付けることにいたします。いただいたご感想にはできるだけお返事を差し上げるように致します。本文の感想だけでなく、コラムの感想も大歓迎です。そのままメール返信していただけるだけで届きますので、お気軽にご意見・ご感想お寄せ下さいませ。

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適正在庫算出ソフトAPIM http://command-ex.com/L4283/b4590/12971

適正在庫算出サービス http://command-ex.com/L4283/b4590/22971

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TSC主催 新・適正在庫の考え方・求め方セミナー(2018/1/19 東京)

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TSC主催 適正在庫APIM7無料紹介セミナー(2017/12/20 東京)

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勝呂隆男の適正在庫四部作(日刊工業新聞社発行)

「適正在庫の定め方・活かし方」http://command-ex.com/L4283/b4590/52971

「適正在庫の考え方・求め方」http://command-ex.com/L4283/b4590/62971

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